四国新幹線、実現はいつ? 誘致活動の舞台裏に迫る! 費用は年間920万円「新幹線を誘致する仕事」を解説する

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四国新幹線誘致活動は、地域経済の活性化に不可欠な取り組みであり、その推進に携わる業務担当者は、東京大会での決起集会を皮切りに、日々精力的に活動を進めている。新幹線整備の促進を目指し、国、自治体、企業が一体となって取り組むこの課題は、今後の地域交通インフラに大きな影響を与えると考えられる。

東京で行われた決起大会で訴えられた「必要性」

東京大会の様子(画像:北村幸太郎)
東京大会の様子(画像:北村幸太郎)

 2024年8月21日、四国新幹線整備促進期成会は「東京大会」と呼ばれる決起集会を東京プリンスホテルで開催した。筆者(北村幸太郎、鉄道ジャーナリスト)も縁あってこの会に招かれ、参加した。会場では国会議員や沿線知事が次々と挨拶し、決議文を読み上げ、最後は「頑張ろう!」の三唱で締めるという熱気あふれる大会だった。

 演説では、四国新幹線の必要性が語られたが、従来の「経済的効果」よりも別の側面に重きが置かれているのが印象的だった。

・人口減少による衰退の懸念
・他の新幹線がある地域との格差拡大の懸念
・災害によるインフラ寸断を防ぐための強靭な新幹線が必要

といった内容が中心で、令和の新幹線整備は「経済効果よりも災害対策」「人口が減るからこそ、それを食い止めるための投資」という位置づけが明確になってきたと感じた。

 会場で配られたパンフレットを見ても、四国新幹線の沿線人口は、現在整備中の他の新幹線と比べても遜色ない規模であることがわかる。平成以降に整備された、あるいは建設中の新幹線と1kmあたりの沿線人口を比較すると、東北・北海道新幹線の盛岡~札幌間は5970人、北陸新幹線の高崎~敦賀間は6370人に対し、四国新幹線の岡山~四国4県都間は11050人。四国島内の区間に限っても7080人であり、この規模にもかかわらず、北陸や北海道が先に整備新幹線に格上げされているのは不思議なくらいだ。

 特に松山市の人口は51万人で、北陸新幹線が通る金沢市(46万人)を超えている。高松市の42万人も富山市の41万人とほぼ同じ。高知市の33万人も東北新幹線の盛岡市(29万人)を上回っている。こうしたデータを見ても、四国に新幹線が整備されるのは当然の流れだといえるだろう。

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