JR東の新夜行列車「ルナ・アズール」 なぜ乗車チケットは窓口から消えたのか? 「はやぶさ」との対比で見る体験価値への転換

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「運んだ距離」から「もたらす体験の価値」へ。JR東日本が2027年度初めに投入する定員125人の新特急「ルナ・アズール」は、窓口販売のないネット限定の旅行商品だ。新幹線グリーン車(2万4180円)+αの柔軟な値付けにより、硬直した運賃制度を越えて鉄道ビジネスの稼ぎ方を変える新たな挑戦を追う。

体験消費への変革

1号車のエクステリアデザインイメージ(画像:JR東日本)
1号車のエクステリアデザインイメージ(画像:JR東日本)

 JR東日本が2027年度初め(4月~ゴールデンウィーク頃)に向けて準備を進める新特急「Luna Azul(ルナ・アズール)」は、これまでの寝台列車や観光列車の枠組みには収まらない。

 スペイン語で「青い月」を意味する名には、上質さや心地よさ、非日常を形にする意図がある。あえてなじみの薄い響きを選んだ点からも新しい体験を届ける姿勢がうかがえ、ひとり旅からグループ旅行まで、乗ること自体に胸躍る場を目指している。

 都市間の高速移動が極限まで進んだ現代において、本列車が求めるのは定期列車のような効率の良さではない。乗ることそのものが旅の目的地となる旅行商品としてのあり方だ。

 季節ごとの夜行・昼行の切り替え、全席個室化、食堂車を設けず沿線の食文化と繋ぐ仕組みは、鉄道サービスの中心が移動から「その場で過ごす体験」へ移る流れを映し出している。本稿ではこの列車を切り口に、鉄道ビジネスの新たな価値づくりの試みと地域への広がりを考察する。

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