四国新幹線、実現はいつ? 誘致活動の舞台裏に迫る! 費用は年間920万円「新幹線を誘致する仕事」を解説する

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四国新幹線誘致活動は、地域経済の活性化に不可欠な取り組みであり、その推進に携わる業務担当者は、東京大会での決起集会を皮切りに、日々精力的に活動を進めている。新幹線整備の促進を目指し、国、自治体、企業が一体となって取り組むこの課題は、今後の地域交通インフラに大きな影響を与えると考えられる。

鉄道時代が終わる前に実現すること

四国の新幹線署名活動応援キャンペーン(画像:四国新幹線整備促進期成会)
四国の新幹線署名活動応援キャンペーン(画像:四国新幹線整備促進期成会)

 筆者はJRのバースデーパスで四国4県都を巡ったことがあるが、どの県都にも路面電車や短編成の私鉄が張り巡らされ、

「これほどの都市にもかかわらず新幹線がないのは信じられない。これは差別の域だ」

と感じた。四国に限らず、すべての新幹線計画路線の実現を応援しているが、まずは全国の新幹線誘致団体が共同で「新幹線予算の増額や国民への理解を求める広報活動」を展開し、2025年度の予算が2658億円、そのうち国負担がわずか804億円しか割り当てられていない状況を、10倍の数千億円~1兆円単位に増やすことから実現させるべきだと考える。その上で、着工の優先順位をめぐって各新幹線誘致団体が競い合うべきだと思う。

 早く実現しなければ、実現する頃にはテクノロジーの進化によって、人の移動が減り、鉄道の時代は終わりを迎えるかもしれない。

 内閣府ウェブサイトの「ムーンショット計画」によれば、

「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」

を目指しており、ウェブサイトのイラストにはサイボーグの登場や人間が複数のロボットを同時に遠隔操作している様子が描かれている。米国では2024年、イーロン・マスク氏のニューラリンク社が、人間の脳を直接コンピューターに繋ぐ「脳内チップ」の埋め込みに成功する予定だ(将来的には意識をオンラインで転送できるようになる)。

「肉体ごと移動する必要がなくなる世界」

は日に日に近づいている。このようなテクノロジーの進化を見ると、筆者は

「旅客鉄道は22世紀までのもの」

と本気で考えている。スピーディーな新幹線が、国の欠陥整備スキームのせいで整備のペースがテクノロジーの進化に追い越されるとしたら、これほど皮肉なことはない。鉄道が活躍できる時代のうちに、すべての新幹線基本計画線が実現することを強く願っている。

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