絶賛された“神機能”はなぜ7年で姿を消したのか? 「ステップワゴン」から始まる空間価値のアップデート、なぜ支持は割れたのか

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国内累計30万台を突破したホンダ・ステップワゴン。市場の同質化を打破する「わくわくゲート」は、10kgの重量増や左右非対称デザインへの敬遠から、わずか7年で廃止された。手堅い箱型へと回帰した戦略的撤退の裏側には、美意識と効率化が衝突するモノ作りの難題と、未来のモビリティへの布石がある。

常識を破る革新機構と7年の幕

ホンダステップワゴンのわくわくゲート(画像:本田技研工業)
ホンダステップワゴンのわくわくゲート(画像:本田技研工業)

 ホンダ「ステップワゴン」は1996(平成8)年の初代登場以来、日本のファミリーミニバンの形を作ってきた。2017年11月発表の「ステップ ワゴン 年間販売台数推移及び発売以来の歩み」によれば、1997年度に10万6786台を売り上げ、1999年3月には国内累計販売台数30万台に達している。ただ、この成功によって市場が成熟すると、室内の広さやシート配置で各社の車が似通ってくる。ここから、新たな価値や違いを生み出す模索が始まった。

 横並びの状況を破るため、2015年4月の5代目フルモデルチェンジで投入されたのが「わくわくゲート」だ。

 通常の上開きに加え、左半分を冷蔵庫のように横へ開けられる。これにより狭い場所での荷物の出し入れが容易になり、3列目シートを床下に仕舞えば後ろから直接車内へ乗り降りできる。ただ広さを競う段階から、使いやすさの質を高める挑戦へのシフトだった。実際の使い勝手に対する購入者の満足度は高く、車の価値が移動の道具から

「過ごす時間の快適さ」

へ移り変わる流れを見据えた取り組みだった。しかし、この仕組みは2022年登場の6代目現行モデルにて1世代(約7年間)で姿を消す。その背景には、自動車産業を揺るがす大きな変化の波があった。

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