都内分譲マンションで進む「静かな分断」――自家用車所有率「47%」が示す駐車場収益の転換点
都内分譲マンションで、駐車場を巡る前提が揺らぎ始めた。車所有者の43.9%が将来的な「非保有」を検討する一方、SUV大型化やEV重量増で既存設備とのズレも拡大。空き区画と修繕費不安が同時進行する、都市住宅の新たな課題が浮かび上がっている。
所有の呪縛と移動保険の停滞

都内の分譲マンションにおいて、駐車場を取り巻く暮らしの土台に変化の兆しが見える。駐車場サブリース事業を手掛けるアズーム(東京都渋谷区)の調査によると、自家用車を持つ人のうち、43.9%が将来は車を持たない生活を送りたいと答えた(「ややそう思う」「とてもそう思う」の合算)。その一方で、現実には46.9%が今も所有を続けている。表向きの数字を追うだけでは見えてこない、複雑な事情がそこにはある。
実際の利用頻度をひも解くと、「週に1日から2日」という回答が45.2%で最も多かった。毎日ハンドルを握る必要はないものの、かといって自分専用の移動手段を完全に手放す決断も下せない。そんな層が分厚く存在している。
カーシェアなどの新しい仕組みに対しても、「非常に関心がある」と答えたのは11.5%に留まる。一方で、関心がない層は計58.5%に達した。既存のサービスが、所有することで得られる安心感をまだ超えられていない証拠だろう。
いま起きているのは、所有から利用への単純な移行ではない。急な用事やプライバシーを守りたいといった権利を、手元に残しておきたいという欲求の表れだろう。いわば、自前の車を
「一種の保険」
として持ち続ける動きに近い。毎日は使わなくても、手放した後の不便さが維持費の重さを上回ってしまう。所有し続ける以外の道が見出せない、中途半端な足踏みが続いているのだ。