「翌日配送、もう限界かも」 現場を追い詰める物流崩壊――「翌日」にこだわる人は3割以下、それでも現場は止められないのか?
物流現場は限界に達した。私たちが当たり前に享受する「翌日配送」は、現場の疲弊の上に成り立つ。速さを守るのか、持続可能な仕組みを選ぶのか。社会を支える物流の未来が、いま岐路に立たされている。
荷物の存在と人手不足

2026年2月20日、帝国データバンクが公表した調査の結果は、物流の現場が突き当たった行き止まりを、ありのままに示している。正社員が足りないとする企業は全体で52.3%だが、運輸・倉庫業では65.8%にまで跳ね上がる。非正社員の不足も40.2%に達した。
2025年に起きた人手不足による倒産は427件。3年連続で過去最多を塗り替え、ついに400件という節目を越えてしまった。この数字が物語るのは、仕事がなくて困っている不況の景色ではない。
運輸・倉庫業を見れば、荷物も、それを運んでほしいという声も、世のなかにはあふれかえっている。それなのに会社が消えていくのは、現場がこれ以上の重荷を背負い込めないところまで追い詰められたからだ。
今の供給の仕組みは、器からこぼれ出した荷物を引き受けるだけの力を、もう持ち合わせていない。物流網そのものが、社会を支える役割を保てなくなる瀬戸際にある。私たちが享受している
「翌日配送」
という当たり前は、すり減っていく現場の犠牲の上に、かろうじて成り立っているに過ぎないのだ。