かつては「東京下町の住宅街」――3路線が交わる交通要所が、住みたい街ランキング「8位」に急浮上したワケ

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2026年の首都圏居住ランキングで、中央線沿線が上位を独占する一方、荒川区の町屋が前年から29位上昇し8位に浮上した。家賃平均8.9万円の市場で9.8万円と高水準を示しつつも支持を集める背景には、ブランドから接続性へと価値基準が移る居住選好の変化がある。

29位上昇が示す居住ニーズ変容

町屋(画像:写真AC)
町屋(画像:写真AC)

 2026年の首都圏の居住市場で、はっきりした動きが見られる。女性向け物件検索サイト「Woman.CHINTAI」がまとめた「住みたい街ランキング2026」では、阿佐ケ谷、西荻窪、高円寺が上位3駅を占め、上位10駅の過半数をJR中央線沿線が占める結果となった。

 こうした特定沿線への人気集中が進むなか、荒川区の中央北部に位置する町屋は前年から順位を29上げて8位に入った。この動きは重い意味を持つ。1.33平方キロメートルの範囲に広がるこの地域では、1995(平成7)年に1万568世帯だった世帯数が、2025年3月時点で1万6513世帯(人口2万9680人)まで拡大。30年弱で56%増という着実な定住人口の積み上げが、今回の躍進を支える土台となっている。

 これまで交通の結節点でありながら「下町」の印象が強く、目立たない存在とされてきた地域が、居住ニーズの変化を明確に示し始めている。背景にあるのは、働く女性が住まいに求める基準が、街の知名度や印象といった要素から、移動のしやすさや時間の使いやすさへと移っている実態だ。居住者は街のイメージを受け取る側にとどまらず、都市の移動手段を前提に生活を組み立てる主体になっている。

 これまで十分に評価されてこなかった交通のつながりや機能性が、生活の安定を支える要素として見直されている。町屋は都心への移動負担が小さい拠点として、その位置づけを強めている。

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