「破産する」「ドンキしか行けない」 ネットで“残クレアルファード”を叩く人が、全然幸せそうに見えないワケ
ネット上で偏った情報が広がるなか、残クレアルファードは「茶化し」の対象になりやすい。しかし2019年新車500万円のアルファードは2024年に400万円で売却可能。高リセール価値を活かせば資産形成の手段となる現実がある。
ネット共鳴の危うさ

インターネット上で形成される情報環境を語る際に、よく指摘される概念がある。それが「フィルターバブル」と「エコーチェンバー」である。
フィルターバブルとは、アルゴリズムやユーザーの行動履歴によって、見たい情報や同調的な意見ばかりが表示され、異なる視点や批判的情報が遮断される現象だ。SNSや動画サイトで特に顕著である。例えば、ユーザーが一度
「残クレアルファードを笑う動画」
を視聴すると、同種のコンテンツばかりが次々に提示される仕組みになっている。結果として、偏った情報だけが目に入る環境が自動的に作られる。
一方、エコーチェンバーとは、同じ意見を持つ人々が集まり、互いの主張を反響させ合うことで、信念が強化される現象だ。匿名掲示板やSNSで
「残クレでアルファードを買うのは身の丈に合わない」
といった書き込みが増えると、他の参加者が同調し、批判が自己強化的に拡大する。こうした環境では、異なる意見が排除されやすく、事実の吟味が阻まれる。
このふたつが組み合わさると、「残クレアルファードは馬鹿げている」という認識が、根拠を欠いたまま社会的事実のように扱われる。情報環境の構造自体が、誤った印象を固定化してしまうのである。