大阪万博で「中国製EVバス」不具合頻発! 自動運転未熟&補助金制度の甘さが露呈――業界構造の歪みを問う
大阪万博で注目を集めたEVバスは、190台が導入される一方、自動運転トラブルや補助金制度の甘さが露呈した。国内生産能力と品質管理の強化が、日本の公共交通EV普及のカギとなる。
万博EVバスの技術課題

大阪・関西万博(大阪万博)は2025年10月13日、閉幕を迎える。万博の“象徴”のひとつとされていた電気自動車(EV)バスで、相次ぐトラブルが発生した。マスコミでは縁石への接触や運行停止などが報じられてきた。
万博に合わせ、森ノ宮地区では未来のモビリティ体験をテーマに「e METRO MOBILITY TOWN」が運営された。森ノ宮駅や京橋駅からは、レベル2自動運転の路線バスが走行した。しかし、筆者(西山敏樹、都市工学者)が訪問した2回はいずれも自動運転が作動せず、有人運転で運行されていた。この点は重要である。有人の電動バスとしては問題を起こしていないからだ。
従来の報道では、中国製のEVバスに問題があるかのように伝えられていた。しかし実際の原因は、
「自動運転技術の不具合」
にある。EVバス自体は、有人運転では安定して走行していた。電動バスに期待される自動運転は、技術面でまだ完成度が低いことを示している。
それでも万博で注目を集めたのは、輸入EVバスだった。
・品質の低さ
・補助金制度の甘さ
という二重の課題がある。この点は、
「EVバス単体の性能評価」
とは区別して考える必要がある。今後は、国内外での試験や補助金制度の適正化を通じ、輸入EVバスの品質改善と安定運行を両立させることが求められるだろう。