大阪万博で「中国製EVバス」不具合頻発! 自動運転未熟&補助金制度の甘さが露呈――業界構造の歪みを問う
大阪万博で注目を集めたEVバスは、190台が導入される一方、自動運転トラブルや補助金制度の甘さが露呈した。国内生産能力と品質管理の強化が、日本の公共交通EV普及のカギとなる。
自動運転と車両の接点
2025年4月28日、大阪万博会場北側の舞洲駐車場で、自動運転機能を搭載したEVバスが事故を起こした。ドライバーが手動で停車させた後に離席した際、バスが動き出し、高さ約50cmのコンクリート壁に接触した。乗客はおらず、ドライバーも負傷はなかった。
1か月後の5月30日付読売新聞では、電気システムのトラブルでサイドブレーキが作動せず、事故が起きたと報じられている。さらに7月21日には、万博会場から舞洲の駐車場に向かう自動運転レベル2のシャトルバスが道路の縁石に接触する事故が発生した。
自動運転バスは、
・地図情報
・車両位置のデータ
を照合しながら走行する。7月の事故では、システムが次の地図情報を読み込む際に処理が遅れ、バスの正確な位置を認識できなくなったことが原因とされる。
これを受け、大阪メトロは情報処理手順を見直し、負荷を低減する対応を行った。バスが正しい位置を走っていない場合には、モニター上でドライバーが手動で介入できるアラートを出す仕組みを導入している。7月の事故も自動運転システムに問題があったことが容易に想像される。
4月の事故についても、EVバス供給元のEVモーターズ・ジャパン(福岡県北九州市)は6月13日、調査結果を声明文として公表した。Osaka Metroとともに事故原因を調査した結果、未改造の車両についてはそのまま使用しても問題ないと結論付けたという。
自動運転トラブルの原因を追究するには、
・車両本体
・自動運転システム
・両者のインタフェース
を総合的に確認する必要がある。報道ではこれらが混同されることもあるが、大阪万博でのトラブルは、自動運転システムとEVバスの接続部分に着目するのが妥当である。