意外と知らない? インターチェンジの近くに「ラブホテル」がやたらと多い理由

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ラブホテルはなぜ高速道路のIC近くに多く建っているのだろうか。国内のホテル開発の視点を踏まえて論じる。

異質で目を引く存在

インターチェンジ(画像:写真AC)
インターチェンジ(画像:写真AC)

 郊外にある高速道路のIC付近には、ラブホテルが集積している。

 夜中の高速道路を走っていると、周辺は建物も少なく暗いなか、こつぜんとして光の集団が現れる。

 色とりどりのネオンサインや看板、派手にライトアップされた外観は、異質で目を引く。

 ラブホテルの開発立地は都市部の繁華街の外れや、郊外の幹線道路沿いやIC付近が多い。なぜ高速道路のIC近くに開発されるのだろうか。

 ここでは、国内におけるホテル開発の視点を踏まえて見ていきたい。

日本独特の業態

ラブホテル(画像:写真AC)
ラブホテル(画像:写真AC)

 ラブホテルは特化型ホテルで、日本独特の業態だ。海外では“結果として”そのような用途で使われている宿泊業態はあるとしても、ダイレクトに専用をうたう宿泊業態は見られない。

 日本でラブホテル開発が活発化したのは高度経済成長期である。ラブホテル開発においては、青少年育成の観点、都市の風紀の観点などから、地域によって開発規制が設けられており、住宅地や学校や図書館、公園などの青少年がよく利用する公共施設から離れている必要がある。

 IC付近は車の往来が多いことから、住宅開発などには環境的に適してない。

・周辺に住宅や公共施設がない
・用途地域が指定されていない

ことも多く、ラブホテルが開発しやすかった。環境的な配慮が必要な場所でもないため、派手な外観も可能だった。

 当時は国内でモータリゼーションが発達しはじめた時期であり、ドライブが若者の定番デートのひとつとなっていた。そのため、ドライブデートで利用しやすいIC付近は利便性がよい面もあった。

 また、当時はラブホテルの利用に人目をはばかる意識が強く、IC付近は生活圏から離れているため人目につきにくい利点もあった。車でそのまま利用できるため、

「知人に会う心配」

も少なかった。

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