都営大江戸線4km延伸は「誰得」なのか? バス限界&人口減少を無視? “黒字化40年”試算を考える
約1600億円を投じる大江戸線延伸計画が動き出した。だが「鉄道空白解消」の名目だけでは語れない。人口減少、需要変動、バス再編――事業採算と生活価値の両面から、都の判断が試される局面にある。
延伸決定の背景と疑問

東京都が都営大江戸線の延伸計画を公表した。光が丘駅から北西へ約4km延ばし、土支田・大泉町・大泉学園町の3駅を新設する方針だ。総事業費は約1600億円と見込まれている。
延伸の目的は
・鉄道空白地域の解消
・都心へのアクセス向上
とされる。しかし、報道の反応を整理すると、従来から存在した計画にもかかわらず、なぜ今この延伸なのか、そして誰がそのコストを最終的に負担するのかという疑問が浮上している。
本稿では、交通需要、財政、都市計画の三つの視点から、この延伸事業の妥当性と課題を検証する。