4年で108人死亡 岡山県「人食い用水路」はなぜそのままにされているのか? 少なくない“柵”反対の声、驚きの理由とは
岡山県岡山市や倉敷市には、危険な用水路が当たり前に存在している。当然、転落事故は多い。いったいなぜこんなに多いのか。ネットで話題になった、敦賀市の側溝トラブルを契機に振り返る。
福井県の側溝トラブルがネットで話題に
後続車を先に行かせようと道路脇のスペースにハンドルを切った結果、側溝にハマってしまい、車が損壊した福井県敦賀市の男性――。
2022年11月に発生したこの事故で、男性は壊れた車の修理費として60万円余りを支払うことになった。しかしながら、事故原因となった側溝を管理する福井県が提示した賠償額はわずか11万円だった。当然ながら、男性は憤慨している。
このニュースは、週刊誌『フライデー』のインターネット記事「「ひどい話ですよ」福井県が道路の側溝のフタを外す“落とし穴“を作った驚きの理由」(2023年4月2日配信)で報じられ、その後、地元紙『福井新聞』でも取り上げたことで、県内外で注目を集める騒ぎとなった。ヤフーニュースに配信された『フライデー』の同記事には、なんと3500件以上のコメントが付いている(4月8日時点)。
報道を受けた県側は、排水機能の向上やコスト削減などの理由でフタのない側溝が存在することを説明。さらに事故を受けて対策を講じるとコメントしている。-
道路脇の側溝にフタも柵もなければ、転落の危険があるのは当然だ。しかし側溝以上に危険なものがある。側溝よりも巨大で、フタも柵もない
「用水路」
である。柵がなければ、街灯のない夜間だけでなく、日中でもなにかの拍子に転落する危険がある。筆者(昼間たかし、ルポライター)は福井県のニュースを読んで「岡山県」の用水路を思い出した。
岡山市南部や県南部の倉敷市には、そのような用水路が当たり前に存在している。当然、転落事故は多い。