大阪万博で「中国製EVバス」不具合頻発! 自動運転未熟&補助金制度の甘さが露呈――業界構造の歪みを問う
大阪万博で注目を集めたEVバスは、190台が導入される一方、自動運転トラブルや補助金制度の甘さが露呈した。国内生産能力と品質管理の強化が、日本の公共交通EV普及のカギとなる。
国内メーカー支援強化

構造改革に向けては、まず審査制度の厳格化が必要である。EVバスもCEV補助金と同様に実車テストを義務化し、走行や充電の検証を第三者機関で行うべきだ。人が乗る車両を実車確認なしで運行することは許されない。
補助金制度も成果連動型に改める必要がある。
・日本国内での貢献度
・実車の安全稼働率
・不具合件数
を基準に補助額を決めることで、バス事業者がより適切な選択をできる。評価の低い車両に補助を出すより、評価の高い車両への補助を増やすほうが合理的だ。使用停止が一定期間続いた場合は返還を義務化し、補助金の評価基準を明確にすべきである。
国内メーカーの支援も欠かせない。筆者は大学で電動バスの研究開発に携わり、ビジネス化の可能性も検討してきた。その経験から、
「国内メーカーの生産ライン増設への投資支援」
は不可欠だと考える。さらに地方自治体や電力会社との連携を前提に新規メーカーを育成すれば、産業化も視野に入る。鉄道車両メーカーの新規ビジネスとしてEVバス分野は有望であり、国内の公共交通事業者へのマーケティング機会も広がる。産業全体の成長と技術蓄積にもつながるため期待は大きい。
透明性の確保も重要である。補助金交付額や対象車両の詳細を公開し、トラブルの内容や件数も分かりやすく示すことで、社会的な抑止力として機能する。さらに国がトラブル件数を集計・公表すれば、事業者は安全で信頼性の高い車両を選ぶための情報を得られる。透明性と成果連動を組み合わせることで、EVバスの普及はより安全で効率的なものになるだろう。