「“ゴネ得”と勘ぐられるな」 新幹線“負担公平性”論争――佐賀1400億円の壁に国交省が切る「法令改正」という劇薬

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国土交通省の水嶋智事務次官は、未整備区間が残る西九州新幹線の整備促進に向け、地元負担を軽減する法令改正を検討する考えを示した。実現すれば大阪延伸が難航する北陸新幹線にも適用される可能性がある。局面打開の一手になるのだろうか。

西九州新幹線未整備区間の推進

西九州新幹線(画像:写真AC)
西九州新幹線(画像:写真AC)

「現状を固定化せず、西九州ルートをフル規格で整備するのが目標。財源問題を解決するため、必要になれば法令改正を検討する」――。10月下旬、国交省でJR九州の古宮洋二社長と面談した水嶋次官は終了後、報道陣の質問に答え、西九州新幹線の膠着状態打開に向けた見解を示した。

 西九州新幹線は2022年、武雄温泉駅(佐賀県武雄市)~長崎駅(長崎県長崎市)間が開業したが、新鳥栖駅(佐賀県鳥栖市)~武雄温泉駅間が佐賀県の同意を得られず、ルート決定していない。古宮社長はこの日の面談で、佐賀駅(佐賀県佐賀市)を通るルートでのフル規格整備の大きな課題に浮上している佐賀県の地元負担軽減を水嶋次官に求めた。

 水嶋次官の発言について、国交省幹線鉄道課は

「西九州新幹線の未整備区間は佐賀県とコミュニケーションを取って方向性を定めなければならない。その際の選択肢の一つとして法令改正に言及した」

と補足説明した。

 西九州新幹線など整備新幹線は全国新幹線鉄道整備法に基づき、国や沿線都道府県の負担割合が決まっている。運行するJR各社が支払う貸付料を除いた額を国が3分の2、沿線が3分の1負担する形だ。佐賀県の試算によると、フル規格整備だと、佐賀県の実質負担額は少なくとも1400億円に上るという。

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