北陸新幹線「敦賀乗り換え不要」は本当か? 福井県“インチキ広告”の裏側を徹底検証! 米原ルート「不利」試算の落とし穴、隠されたメリットとは?

キーワード :
, ,
福井県が発信した大々的な広告では、北陸新幹線小浜・京都ルートの優位性が強調された。しかし、米原ルートに関する分析は一部に疑問を残す。線路容量や運賃などの問題点を検証し、合理的な選択肢として米原ルートの可能性を探る。

恣意的前提が招くルート選定の歪み

北陸新幹線(画像:写真AC)
北陸新幹線(画像:写真AC)

 2025年3月25日、日本経済新聞に全面広告が掲載された。出稿したのは、福井県北陸新幹線建設促進同盟会(事務局:福井県未来創造部新幹線・交通まちづくり局新幹線建設推進課)である。

 広告は、北陸新幹線の小浜・京都ルートによる建設の利点を訴える内容だった。あわせて、米原ルートの問題点を指摘する構成となっていた。紙面を丸ごと使った大々的な展開だった。

「北陸新幹線、敦賀乗りかえがなくなるって、ホンマですか?本当です!」

という見出しを掲げ、小浜・京都ルートのメリットを強調していた。この主張には一定の妥当性がある。しかし、米原ルートについての記述には疑問が残る。国の試算や検討内容を参照しているが、前提条件の設定にはやや恣意的な部分も見受けられる。それが結果として、米原ルートを相対的に不利に見せているようにも読み取れる。

 この広告のどこに問題があるのか。福井県が米原ルートに対して挙げている五つの主張をもとに、検証していく。

全てのコメントを見る