羽田空港アクセス線、田町付近はなぜ「複線化」しないのか? JR東が語らぬ謎――国家的プロジェクトの盲点を考える
JR東日本は羽田空港アクセス線の工事で、田町駅付近に新たな分岐線を設けた。しかし地下区間は単線計画で、ダイヤ制約や将来の増便に不安が残る。複線化は本当に不可能なのか。
単線化の制約と対策

JR東日本は4月19日と20日に、山手線と京浜東北線の一部を運休して羽田空港アクセス線用地のための線路切換工事を行った。工事では、田町駅にあった山手線の折り返し用留置線1本を撤去した。
空いたスペースに、
・山手線外回り
・京浜東北線南行き
・東海道線上り
の線路をそれぞれ1本ずつ西側に移動させた。さらに、東海道線の上下線間に羽田空港方面への分岐線路1本を新設した(東海道線上り線の移設は次回行う予定)。
羽田空港アクセス線は用地の関係で、この分岐部から地下に入るとき、東海道新幹線を潜る部分まで単線となる計画だ。これにより、線路容量やダイヤ設定に制約が生じ、ダイヤ乱れ時の運転整理にも不安が残る。この部分を複線にできる可能性はあるが、なぜそれが難しいのか、について説明する。