スズキ「フロンクス」勝利! 日産「キックス」失速の理由とは? 生い立ち似たSUV、命運はなぜ分かれた? 設計思想と市場タイミングが残酷なまでに分けた明暗とは

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海外生まれの逆輸入SUV、スズキ「フロンクス」と日産「キックス」。同じ土俵に立ちながら、販売結果は明暗を分けた。設計思想、導入戦略、市場との呼吸。似て非なる2台の軌跡は、単なるスペック比較を超え、日本市場が本当に求める「納得できる日常車」の条件を鮮やかに浮かび上がらせる。

販売格差が示す市場適応力

フロンクス(画像:スズキ)
フロンクス(画像:スズキ)

 海外生産され、日本市場に逆輸入される形で導入されたスズキ「フロンクス」と日産「キックス」。似た経緯を持つ両車だが、その後の運命は大きく分かれた。

 本来、フロンクスの直接的な競合車は、同じインド生産のホンダ「WR-V」である。ただしWR-Vは、徹底したコスト重視型の商品だ。フロンクスとは設計思想が異なる。そこで今回は、質感や市場適応の方向性が近いキックスとの比較を試みる。

 現在の日本市場は、どのようなクルマを求めているのか。ユーザーは、何に価値を見出しているのか。両モデルの軌跡をたどることで、車格や価格帯では説明できない市場適応の本質が見えてくる。

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