北陸新幹線「敦賀乗り換え不要」は本当か? 福井県“インチキ広告”の裏側を徹底検証! 米原ルート「不利」試算の落とし穴、隠されたメリットとは?

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福井県が発信した大々的な広告では、北陸新幹線小浜・京都ルートの優位性が強調された。しかし、米原ルートに関する分析は一部に疑問を残す。線路容量や運賃などの問題点を検証し、合理的な選択肢として米原ルートの可能性を探る。

米原ルートの所要時間短縮効果

北陸新幹線米原ルート 新大阪付近複々線化案上下線時刻表イメージ(画像:北村幸太郎)
北陸新幹線米原ルート 新大阪付近複々線化案上下線時刻表イメージ(画像:北村幸太郎)

 次に、時間と料金が増えるという主張についてだ。

 まず、所要時間が小浜ルートに比べて増える点について。国の試算によると、米原での乗り換えを前提にした場合、新大阪~金沢間は1時間41分となり、小浜ルートの1時間20分より21分長い。しかし、この試算では米原での乗り換え時間が15分と過剰に見積もられている。乗り換え時間15分というのは、実際には不合理だ。例えば、九州新幹線の新八代駅や、西九州新幹線の武雄温泉駅では、同一ホームでの乗り換えが3分で行われている。米原ルートでも、同様に3分での乗り換えを想定するべきだ。なぜなら、他の新幹線ではこのように計算しているから、北陸新幹線だけが15分もかかるというのは納得できない。

 直通運転の場合でも、中京エリアに配慮して、直通速達列車も米原に停車させることが望ましい。その際、停車時間はわずかな遅延時間で吸収できるよう、2~3分の余裕を設けるべきだ。この場合、所要時間は1時間29分となるが、260km運転としては少し遅い。秒速70m(時速252km)で計算すれば、1時間25分が妥当だ。これをもとに経済波及効果を試算し、小浜ルートと比較しなければフェアではない。1時間25分であれば、小浜ルートよりもわずか5分長いだけだ。新大阪~富山間も1時間45分程度になる。

 北陸新幹線の米原止まりの列車については、東海道新幹線側の米原停車本数を増やすことで、ほぼ全便が2~5分の乗り換え時間で収められる。仮に北陸新幹線が1時間最大8本運行し、その半数の4本が新大阪直通、残りの4本が米原乗り換えの場合、ほぼ全便が2~5分で接続できるだろう。

1.現行の毎時1本のこだまと接続
2.現行の新大阪~名古屋間各駅停車のひかりと接続
3.現行の浜松、静岡、三島または熱海停車のひかりについて、京都での停車時間を5分から1分に短縮し、米原停車を追加(京都でのぞみの待ち合わせを米原で通過待ちに変更)することにより、乗継機会を拡大。
4.東京駅毎時42分発、新大阪駅毎時33分発の臨時のぞみを、静岡、米原停車の定期ひかり(東京~米原間ではのぞみの追い越しなし)へ変更し、乗継機会拡大。

余談だが、このダイヤが実現すれば、名古屋から北陸新幹線の速達列車への接続が20分間隔で可能になる(03分ひかり、23分ひかり、43分こだま)。名古屋~金沢間は米原駅での乗り換え時間8分を含めて1時間14分、名古屋~富山間は1時間34分となる見通しだ。

 さらに、東京~福井間は米原乗り換えで2時間32分となり、現行の長野経由2時間51分より約20分短縮される。これも米原ルートの魅力のひとつだ。

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