北陸新幹線「敦賀乗り換え不要」は本当か? 福井県“インチキ広告”の裏側を徹底検証! 米原ルート「不利」試算の落とし穴、隠されたメリットとは?

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福井県が発信した大々的な広告では、北陸新幹線小浜・京都ルートの優位性が強調された。しかし、米原ルートに関する分析は一部に疑問を残す。線路容量や運賃などの問題点を検証し、合理的な選択肢として米原ルートの可能性を探る。

米原ルート再検討の波紋

北陸新幹線(画像:写真AC)
北陸新幹線(画像:写真AC)

 北陸新幹線ルートの議論は、公平な条件で検討し、試算を行うことが前提なら、誰も異論はないだろう。再検討は避けられないが、それが行われれば、結果的に不利になるのは明らかだ。それが福井県の焦りの原因だろう。

 しかし、それだからといって、過度に誇張された「インチキ広告」を使って、意図的に情報を操作しようとする手法には疑問を感じる。ある沿線自治体の幹部は筆者にこう話していた。

「ほとんどの自治体幹部は本音では米原ルートを支持しているが、提案した自治体が多く、負担を強いられることになるので、誰も口に出せないだけだ」

 Xでは、米原ルート支持者に対して、小浜・京都ルート支持者が上から目線で発信を続けていた。しかし最近、そのアカウントからは、抵抗の姿勢を見せる投稿が増えてきた。福井県がいくら努力しても、米原ルートが選ばれるのは時間の問題かもしれない。

 2025年5月12日、北陸新幹線建設促進同盟会の東京大会が開かれ、福井県の杉本知事は「小浜・京都ルート」の全線開業への協力を呼びかけた。しかし、石川県の馳知事だけは米原ルート再検討を訴え、孤軍奮闘していた。それでも「小浜・京都ルートでの全線開通を求める決議文」が通過してしまった。だが、30年も待てるのか、5兆円の負担ができるのかは疑問だ。大阪府知事と京都府知事が出席しなかったことも、

「暗黙の反対」

を示唆している。石川県は、米原ルートが不利な試算で小浜ルートと比較され、不採択となった現実を踏まえ、再試算を求めるべきだろう。仮に建設が始まったとしても、過去の成田新幹線のように住民の声で中止に追い込まれ、その後見直しを経て実現したケースもある。着工後も、進展をあきらめるべきではない。開業までには30年、国民の税金や京都の水源にも関わる問題がある。石川県と京都府も、ぜひ頑張ってほしい。

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