北陸新幹線「米原ルート」 実は“料金”も小浜ルートより安かった! 所要時間以上の衝撃事実をご存じか
米原ルートの真のB/C

筆者が再検討した新大阪~金沢間1時間19分、2016年当時の料金8740円(2024年価格なら8900円)だと、費用対効果の効果の部分は小浜ルートと変わらない一方、今の小浜ルート3.9兆円の半額以下で済むはずだからB/Cはよくなるはずである。
米原ルートも建設費高騰で米原~敦賀間の建設費は1兆円となり、B/Cは辛うじて1を越えるといった報道がされているが、これに筆者が前回記事で提案の新大阪~鳥飼車両基地間10kmの複々線化に6000億円、国交省が想定していた米原駅南に設置する車両基地代も、物価高騰を考慮して2000億円程度で見積もっておいて、全部で1.8兆円かかるとしよう。
一方、小浜ルートは当初2.1兆円のコストでB/Cは1.1としていたから、新大阪~金沢間1時間20分ダイヤで効果は2.3兆円程度を見込んでいたことになる。そうすると筆者案の米原ルートのコストでB/Cを出すと、1.8兆円に対して2.3兆円なので、なんと
「1.3」
になる。しかも工期10年で済めば小浜ルートほどの長期的な物価高騰まで反映することもないだろうから、作るのが早いほど高いB/Cが期待できる。これに名古屋方面の需要分の効果も足せば、1.3からさらに上積みがされるだろう。
筆者としては、防災や国土強靭化の観点でいえば
「B/Cが1を切ったからやめるという議論はよくない」
とする与党整備委員長の西田議員の主張は正しいと思う。だがB/Cが1を切らない代替ルートがあるのに、わざわざB/Cが0.5になるという小浜ルートにしなくたっていいだろう。
さらに、最近は便益を算出するのに、
「金利がほとんど付かない日本において、将来の貨幣価値の減衰を考慮する社会的割引率を、いつまでも4%のまま計算するのは実態に合っていないんじゃないか」
という議論がある。これが与党整備委員長の西田議員の指示で進めているB/Cの見直しで
「小浜ルートの費用高騰で都合が悪くなったからって後出しジャンケンするな」
といった批判が相次いでいるが、筆者は西田議員の主張のこの部分についてはまっとうな議論だと考えているし、もっと早く見直しがなされていれば実現していた新線計画はたくさんあっただろうにと思う。
新たな便益算出マニュアルができれば米原ルートでもB/C:1.3どころかその何倍にもなるはずだ。となれば、なおのこと工期の短い米原ルートはもっと評価されるべきだし、早急に完成させるべきではなかろうか。