山陽道「3000台とんだ大迷惑」 たった30台のせいで消えた「16時間の日常」――個人の“大丈夫”とインフラが噛み合わなかった現状を考える
2026年1月2日、山陽道で約30台のノーマルタイヤ車が雪に立ち往生し、3000台が最大23km渋滞。個人判断に頼る高速道路の安全性と、制度・技術による事前対策の必要性が浮き彫りになった。
高速道路の立ち往生

高速道路は時代とともにさまざまな課題を抱えてきた。近年では、積雪による車の立ち往生が目立っている。止まった車は後続車の流れを遮り、交通全体に影響を及ぼす。
2026年1月2日の夜、山陽自動車道(山陽道)の広島岩国道路上り線で、大竹インターチェンジ(IC)から廿日市(はつかいち)ICまでの区間において、約30台のノーマルタイヤ車が雪にタイヤを取られて動けなくなった。渋滞は岩国ICまで延び、3日4時の時点で約23km、計3000台が長時間立ち往生した。
年明け前から全国的に積雪の可能性が伝えられ、高速道路でも冬用タイヤやチェーンの装着が推奨されていた。しかし現実には抑制が十分に効かず、今回の立ち往生を招いた。
日本の高速道路は地形の影響で勾配が急な箇所が多い。トンネルやIC周辺では速度が低下しやすく、車を止めやすい条件が重なる。高速道路は
「止まらないこと」
を前提としたインフラであり、その価値は特に近年高まっている。雪による立ち往生は道路の機能だけでなく、社会的な価値にも影響を及ぼす事態だ。