「充電に並ぶのは、もう終わりにしたい」 日産はEVの常識を塗り替えるのか? 年間充電が最大65%減少、“自分で作る車”という選択肢
オランダの新興ソーラーカー「Lightyear」は日産と提携し、太陽光で最大23km走行可能なEVを実証。都市部利用で充電回数を最大65%削減、災害時バックアップとしても期待される自律型移動の新潮流を探る。
日産の狙い

日産は、2025年に開催されたジャパンモビリティショーで、軽EV「日産サクラ」に電動スライド式のソーラーパネル「Ao-Solar Extender」を載せた試作車を公開した。年間で最大約3,000km相当の走行に必要な電力を太陽光で供給することを目指している。
今回発表されたアリアの実証車両と併せて考えると、日産の立場は本格的な量産を急ぐものではなく、技術の選択肢を市場に確保し続ける構えにある。これは、電池容量の拡大や急速充電の速度を競う消耗戦とは一線を画す差別化の動きである。
この立ち回りは、安価な電池や大画面といった要素でEVが均質化する流れに対抗し、緻密な統合技術によってエネルギーを自ら生み出す価値を示している。機能面での比較を超えて、空の下であれば稼働し続けるというエモーショナルな価値を付加し、モビリティを電力を吸い上げるだけの存在から、自立したパートナーへと高めるブランド戦略といえる。
技術が円熟し、規制が整う時期を見極めるための時間的猶予を確保しつつ、先行するトヨタなどの動向を注視しながら、競争力の核となる知見を積み上げているのだ。