「充電に並ぶのは、もう終わりにしたい」 日産はEVの常識を塗り替えるのか? 年間充電が最大65%減少、“自分で作る車”という選択肢

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オランダの新興ソーラーカー「Lightyear」は日産と提携し、太陽光で最大23km走行可能なEVを実証。都市部利用で充電回数を最大65%削減、災害時バックアップとしても期待される自律型移動の新潮流を探る。

充電回数を減らす価値

バルセロナ(画像:Pexels)
バルセロナ(画像:Pexels)

 日産がライトイヤーと提携し、この実証に取り組む狙いは、航続距離の延伸それ自体よりも、消費者の行動様式に変化をもたらす点にある。

 日産は2025年夏、ライトイヤー本社からスペインのバルセロナまでの1550kmを実証車両で走行した。この走行結果に基づき、年間で約6000kmを走行する通勤者は年間の充電回数を23回から8回に減らすことが可能になると試算している。さらに、年間約1万2000kmを走行する通勤者の充電間隔も、平均で50%ほど長くなる見通しである。

 この試算が示す価値の本質は、充電インフラが限られる地域における利用者の自立を促すことにある。都市部では短距離や高頻度の利用が多いため、外部からの補給を待たずとも運用が成り立つ状況は、利用者の利便性を飛躍的に高める。特に多忙な利用層にとって、充電施設を探し、接続して待機する時間は機会損失だ。

 ソーラーによる電力供給は、こうした不快な拘束時間を削減し、生活の自由度を広げる役割を果たす。心理的な障壁を取り除く効果に加え、災害時やインフラ未整備地域における非常用電源の確保といった側面もあり、移動の継続性を支える手段としての有用性も認められる。

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