「充電に並ぶのは、もう終わりにしたい」 日産はEVの常識を塗り替えるのか? 年間充電が最大65%減少、“自分で作る車”という選択肢
オランダの新興ソーラーカー「Lightyear」は日産と提携し、太陽光で最大23km走行可能なEVを実証。都市部利用で充電回数を最大65%削減、災害時バックアップとしても期待される自律型移動の新潮流を探る。
メーカーが撤退しない理由

ライトイヤーのような新興勢は技術先行型である一方で、資金面での制約に直面している。ライトイヤーは2023年1月にソーラーカーの生産事業会社の破産を宣言し、その後に韓国の投資ファンドから投資を獲得して経営の立て直しを図っている。
一方で大手自動車メーカーでは、すでにトヨタやメルセデスベンツ、現代自動車などが車載ソーラーシステムの実証実験を行っており、一部は販売を始めている。大手メーカーが開発を続ける背景には、将来の技術転換期に対する参入障壁の構築という意図がある。
高効率なパネルが実用化された際、実装ノウハウを持たないメーカーは市場から排除されるリスクを負う。他社に先んじて運用データを積み上げ、知的財産の優位を築いておくことは、将来の市場支配権を確保するための先行投資となる。
ソーラーシステムは主電源でないことが前提となるが、補助機能として残る可能性が高いため、メーカー各社は技術開発を進めている。また、長期的にソーラーEVが飛躍的に普及することも想定される。みずほリサーチ&テクノロジーズは、日本国内におけるソーラーシステム搭載車(乗用車:EVおよびPHV)の普及が促される場合として、2050年に普及台数は3000万台を上回り、2040年代に50万トン/年を上回るCO2排出削減による効果が期待されると予測している。
現在の取り組みは目先の収益ではなく、将来の市場における地位を保証するための権利を保持する活動となっているのだ。