羽田アクセス線「中央線直通」は可能なのか?──都知事が期待、課題を解決する「三つの改良工事」をご存じか
小池都知事が掲げた羽田アクセス線中央線直通構想は、西東京から羽田まで最短51分に短縮する可能性を秘める。都市構造の重心変化や首都圏空港間の競争力再編を伴う一大プロジェクトであり、数百億円規模の投資と線路改良が不可欠だ。
羽田アクセス線中央線直通の意義

2025年2月26日、小池都知事はJR羽田アクセス線西山手ルートの設定について
「中央線・埼京線等々接続による多摩方面への空港アクセス向上を期待」
と発言した。西山手ルートは、東京駅直通ルートの途中で東京貨物ターミナル付近から分岐し、りんかい線の品川シーサイドから大井町間のトンネルに合流する。大崎から埼京線の線路に入り、新宿や池袋を経由する計画である。新宿駅には埼京線から中央線に繋がる単線の連絡線があり、都知事の発言はここに注目したものとみられる。東京都西部を含む国際競争力の向上や地域価値向上を見据えた発言だ。
中央線直通について、JR東日本コーポレートコミュニケーション部は
「西山手ルートについては実現に向け関係者と協議を行っている段階であり、具体的な運行計画等は今後の検討課題と認識しております」
としている。
現在、中央線沿線から羽田空港へは東京駅や品川駅での乗り換えが必須である。しかし新ルートで羽田行き特別快速「羽田特快」が実現すれば、立川から羽田まで51分、八王子から64分に短縮できる見込みだ。新宿駅などで直通運転に必要な線路改良を行えば、日中は毎時2本、朝ピークは毎時4本程度の運行が可能になると考えられる。
実現すれば、空港利用者増加による観光・ビジネス需要の拡大につながるだけでなく、中央線内で完結する沿線住民にもメリットが生じる。今回は、鉄道工学的観点からの課題と解決策、実現後の中央線運行のあり方について整理した。