羽田アクセス線「中央線直通」は可能なのか?──都知事が期待、課題を解決する「三つの改良工事」をご存じか
利便性向上の波及効果

羽田アクセス線の中央線直通は、空港利用者だけでなく、中央線内で完結する既存の旅客にもメリットをもたらす。最大の利点は、中央線沿線から渋谷まで乗り換えなしで通勤できる点である。朝ラッシュ時には、1時間に4本が渋谷経由羽田行きとなる見込みだ。
この本数は、羽田行きを設定すると東京行きが減ることを踏まえ、どこまで許容できるかを考慮した結果である。現在、朝の中央線は1時間に最大27本運転されている(新宿駅7:40~8:40発着の東京行き)。空港利用需要を取り込むため、1本増発して28本とする可能性もある。
新宿駅での乗車より降車が多いことを考えると、全列車を東京行きにする必要はない。2分30秒間隔を維持しつつ、東京行き24本、羽田行き4本と配分するのが現実的な予想である。
日中の運行も改善が見込まれる。現在、日中は1時間に特急5~6本、快速8~9本、計14本(特急を除く)が運転されている。このうち一部を羽田アクセス向けに割り当てる予定だ。新宿~東京間は、最低でも5分間隔を維持する必要があるため、日中の羽田直通は1時間に2本程度になる見込みである。相鉄直通列車も日中は1時間に2本しかないことから、妥当なシナリオといえる。
日中の羽田直通は多摩地域からの空港アクセス向上が目的であり、特別快速で運転される。武蔵野線利用者の利便性も考慮し、西国分寺駅への停車も想定される。その場合、一部快速列車の運転区間短縮が発生する可能性がある。
まとめると、日中1時間14本の内訳は中央特快2本、青梅特快2本、羽田特快2本、快速8本(うち2本は武蔵小金井折返)と予想される。羽田特快は新宿で東京発着の快速と接続することが期待される。また、新宿~東京間は毎時12本の5分間隔で運行されるため、御茶ノ水駅で各駅停車と必ず接続できる。これにより、これまで「乗っていた電車が止まり切る寸前に隣の電車のドアが閉まる」とネットで呼ばれた
「御茶ノ水ハラスメント(オチャハラ)」
状態が解消される。新宿~秋葉原間などの関係駅間では、最大5分の短縮が実現される見込みである。
最後に、新宿駅の中央線特急ホームの使い方を変えることで得られるメリットを紹介する。今回の改良で中央線特急にとって新宿駅は途中駅となる。下り特急は乗客の待合スペースとして現行の特急ホーム10番線を使い続けるが、上り特急は基本的に降車のみの運行となるため、快速用ホームを使用することになる。これにより、現在の特急用ホーム9番線は役目を終える。
中央線と埼京線連絡線の平面交差をなくし複線化したことを活かし、評判の悪いホームまで遠い「成田エクスプレス」を9番線に発着させれば便利になる。こうして中央線は羽田と成田、両空港へのアクセスが便利な路線となる。場合によっては、かつて運行されていた八王子始発の成田エクスプレス復活の可能性も見えてくる。