EV化が進む「自動車産業」 覇権握るのは米中?欧州? EU議会の提言とは

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欧州議会が発行した文献を題材として「自動車分野の未来」を概観するシリーズ企画。第1回は「世界自動車バリューチェーンの趨勢」をテーマとして「欧州自動車分野の動向と将来への影響」を考える。

COVID-19 の欧州自動車分野への影響

産業別COVID-19の影響と回復状況(画像:欧州委員会EC)
産業別COVID-19の影響と回復状況(画像:欧州委員会EC)

 自動車分野はCOVID-19により最大の影響を受けた産業の一つだ。中国の封鎖によるサプライチェーンの混乱も原因の一つだが、2020年の3~5月にかけて欧州全土で行われたCOVID-19封じ込め政策が原因となっていることは明らかだ。

 2020年前半、EUの自動車分野では生産が3600万台減少、1000億ユーロの減益となり、数社が資金援助を受け、一時帰休では終わらず、工場閉鎖に追い込まれた企業もある。

 ただし、今後の回復は早いと予想されるとともに、COVID-19の影響が少ないデジタル産業に移行することでさらに回復を早めることも可能だ。

グリーンとデジタルの双子の転換

 EUが自動車分野のリーダーであり続けるには、今後数年間で気候中立に挑戦しながら、デジタル技術を開発・採用するための大規模な構造変革が必要だが、先行する米中に追いつき追い越すことは容易ではないだろう。

 欧州委員会はこのような変化に対応するためにさまざまな提案と構想を立案し、欧州議会は、これら提案を法規化することで自動車産業のグリーン化とデジタル化を支える中心的な存在として活動している。

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