EV化が進む「自動車産業」 覇権握るのは米中?欧州? EU議会の提言とは

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欧州議会が発行した文献を題材として「自動車分野の未来」を概観するシリーズ企画。第1回は「世界自動車バリューチェーンの趨勢」をテーマとして「欧州自動車分野の動向と将来への影響」を考える。

電動モビリティーに移行するドイツの雇用

 2019年、ドイツ経済省の調査によると、自動車の動力源が内燃エンジンから電気モーターに移行することで2030年までに、BMWとアウディーで約4万人、ダイムラーとポルシェで3万5000人、VWでは2万5000人の雇用喪失を予測する。

 サプライヤー、特に中小サプライヤーへの影響が懸念され、ドイツでは2030年までに最悪で41万人、日本では30万人の雇用が喪失するとの試算もある。

 欧州自動車部品工業会CLEPAは海外からの直接投資により、エレクトロニクス、ソフトウエアとIT関連の成長分野で約3万5000の雇用が創出されると分析するが、自動車組立工場と部品工場では場所も仕事の質も異なり、特に電子部品やソフトウエアは完全な異業務なので徹底した再教育が必要だ。

 単純な数の差し引きだけの問題ではない。

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