中国CRRCが日本車を駆逐? ジャカルタ通勤鉄道での「E235系失注」が示す、日本の護送船団方式の限界
日本製中古車両が独占してきたジャカルタ通勤鉄道に異変。中国中車が1年未満の異例の短納期で132両を納入、CRRC製新型車両が続々営業開始した。約3兆円規模の調達劇の裏に、破談した日本側計画と急速な勢力図の転換があった。
試運転2か月で営業許可

去る2025年6月1日、中国中車青島四方機車車両(CRRC)製のインドネシア通勤鉄道(KCI)向け新型車両CLI-125型がついにデビューした。まずは、初回契約分の3編成が一斉に営業投入され、ジャカルタコタ~ボゴール間、及びカンプンバンダン~チカラン間で運行を開始している。
短い8両編成の旧型車両の置き換えを進め、輸送力増強を図る。これらは2023年にKCIが予定していた中古車両導入が政府方針として不可となったことを受け、その代替えとして、納期1年程度の新車を輸入で賄うことに端を発する。3編成36両が入札方式にて、2023年12月末に約7830億ルピアで契約された。
そして、納期通りに第1編成は1月30日にジャカルタ、タンジュンプリオク港に到着。第2、第3編成も3月9日に到着した。第1編成は早くも2月10日には日中の本線試運転をスタートし、所定の試験項目、4000kmの走り込みをクリアし、4月末には運輸省からの営業許可を取得した。