中国CRRCが日本車を駆逐? ジャカルタ通勤鉄道での「E235系失注」が示す、日本の護送船団方式の限界
日本製中古車両が独占してきたジャカルタ通勤鉄道に異変。中国中車が1年未満の異例の短納期で132両を納入、CRRC製新型車両が続々営業開始した。約3兆円規模の調達劇の裏に、破談した日本側計画と急速な勢力図の転換があった。
日本常識を覆す現実

「追求卓越誠信四方」――KCIデポック電車区内に設置されたCRRC職員詰所の一角に掲げてある標語だ。ここにはCRRCの職員20名前後が常駐し、CLI-125型の立ち上げ準備に勤しんでいる。
第2編成以降の試運転は同時に終日2編成を走らせ、運輸省認可も取るという体制だ。驚異的な生産能力のみならず、現地での車両立ち上げにもリソースを惜しみなく投じている。まさに「追求卓越」。スピードと高い品質で高速鉄道だけではなく、インドネジアの在来線市場をがっちり囲い込んで行かんとする意気込みを感じる。
未だに日本国内では中国製車両に対し、安かろう悪かろうという通説が罷り通っているが、
「日本の常識は世界の非常識」
である。そもそも、いい加減な対応がもはや通用しないことは、CRRC側が一番良くわかっているはずだ。東南アジアでも、特にタイやインドネシアの都市鉄道事業者のオペレーション能力は飛躍的に高まっており、契約書の精査、そして品質見極めの力が付いている。何かミスがあれば、すぐにクレームになる。しかも、このような事業者はその後の部品サプライなどで優良顧客になるため、手厚く対応する。「誠信四方」である。
ちなみに、この詰所の壁1枚を隔てて、INKA製のCLI-225系立ち上げチームの詰所がある。日系メーカー機器が多数採用されているため、当然、日本人の出入りもある。ただ、出張ペースで各社から数名程度の派遣であり、「追求卓越誠信四方」の前に心もとない。