中国CRRCが日本車を駆逐? ジャカルタ通勤鉄道での「E235系失注」が示す、日本の護送船団方式の限界
日本製中古車両が独占してきたジャカルタ通勤鉄道に異変。中国中車が1年未満の異例の短納期で132両を納入、CRRC製新型車両が続々営業開始した。約3兆円規模の調達劇の裏に、破談した日本側計画と急速な勢力図の転換があった。
標準軌試験線の限界

先述のとおり、車両は現地到着後、すぐに立ち上げ整備が行われ、わずか10日後には日中の本線試運転を実施している。新車の、まして第1編成となれば通常、大なり、小なりトラブルが付き物である。
実際に走らせてみると、想定外の事象は必ず発生する。そういった問題をひとつひとつ潰して、ようやく白日のもと本線を走らせられるようになるわけだが、そのようなプロセスがないまま、いきなりの試運転には関係者誰もが驚いた。日本のメーカーなら怖くてこんなこと出来ないはずである。
が、端から見る限りでは、トラブルが出ている様子はなく、そのまま連日の走り込み試験に移行した。そして、3か月後には運輸省許可を取得。まるで、従来の中古車両の運用開始までのスケジューリングである(中古車両の場合、理論上は細かい調整無しに、そのまま走らせることが出来るため)。
CRRCは広大な工場内に周回の試験線を持っていて、出荷前に必要な検査、試験を完了させることが出来、このように納品後、すぐに走らせることが出来るのが売りである。ただ、この試験線は標準軌で敷かれているため、このような手順を踏むことは出来ないはずである。
現車講習に参加した乗務員によると、狭軌の線路長はそんなに長くなく、数百mを行ったきり来たりさせるくらいしかしていないという。となると、AIなどを用いて緻密なシミュレーションでも行っているのかもしれない。