高速道路「逆走事故」はなぜ減らないのか? 年間200件超! 高齢者7割が陥る「魔の構造」、対策の狭間で繰り返される悲劇を考える
2025年、東北自動車道の逆走事故で死者3人を含む14人が負傷。NEXCOのデータでは逆走件数は減少傾向も依然高水準で、75歳以上が約半数を占める。複雑なIC構造と高齢ドライバー増加が背景にあり、構造改善や高齢者対策、最新技術の導入が急務だ。
全国に拡がる逆走リスク構造

2025年4月26日、東北自動車道(以下、東北道)で逆走による衝突事故が発生した。死者3人、重軽傷者11人という深刻な結果をもたらした。事故を起こした車は、黒磯板室インターチェンジ(IC)の分岐路で進路を誤り、本線を逆走したと見られている。
黒磯板室ICは、いわゆる「平面Y型」と呼ばれる構造を採用している。高速道路の入口と出口がY字型で交差する設計であり、視認性や判断を誤りやすい構造ともいえる。
この平面Y型ICは、全国各地に数多く存在する。福島県内だけでも8か所に設置されているという。仕事とプライベートで年間約6万kmを走行する私(都野塚也、ドライブライター)も過去に利用した経験があり、走行時には進行方向を間違えないよう慎重に運転した記憶がある。
高速道路での逆走は、近年深刻化する交通問題のひとつだ。国土交通省やNEXCO各社も逆走対策に注力しているが、依然として発生件数は減少傾向にない。
今回の事故のように、逆走は一度発生すれば甚大な被害をもたらすリスクがある。では、今後どう向き合い、どのような対策が求められるのか。
・構造上の課題
・ドライバー側の認知
・インフラ整備
など、さまざまな視点から検討が必要である。