高速道路「逆走事故」はなぜ減らないのか? 年間200件超! 高齢者7割が陥る「魔の構造」、対策の狭間で繰り返される悲劇を考える

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2025年、東北自動車道の逆走事故で死者3人を含む14人が負傷。NEXCOのデータでは逆走件数は減少傾向も依然高水準で、75歳以上が約半数を占める。複雑なIC構造と高齢ドライバー増加が背景にあり、構造改善や高齢者対策、最新技術の導入が急務だ。

要因は複合的

自動車とデータのイメージ(画像:写真AC)
自動車とデータのイメージ(画像:写真AC)

 逆走の現状をデータから確認する。NEXCO東日本の発表によると、年間の逆走件数は以下のとおりである。

・2015(平成27)年:259件
・2023年:224件

件数は減少傾向にあるが、依然として高水準にとどまっている。さらに、2023年に逆走したドライバーの年齢別内訳をみると次のとおりだ。

・30歳未満:9%
・30~64歳:23%
・65~74歳:22%
・75歳以上:46%

75歳以上がほぼ半数を占めており、65歳以上では全体の約7割に達する。高齢ドライバーによる逆走が突出していることがわかる。

 発生箇所としては、合流地点やICの出入口が最多となっている。加えて、料金所やその前後での逆走も目立つ。サービスエリアでは、進入口から誤って流出し、そのまま逆走するケースも確認されている。

 高齢になるほど、判断力や操作力の低下が避けられない。また、標識や案内看板の老朽化により、視認性が落ちている点も見逃せない。こうした

「複合的な要因」

が、逆走事故の一因となっている。

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