存廃揺れる「日本最短私鉄」 わずか2.7km――赤字を“広告費”として支える企業は存在するのか?

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全長2.7kmの日本最小級私鉄、紀州鉄道が廃線の瀬戸際に立つ。年間7000万円の赤字を抱え、中国系企業傘下となるなか、譲渡先や存続の行方に自治体と経済界の注目が集まる。

譲渡先未定で2026年廃止可能性

出発を待つ紀州鉄道の気動車(画像:写真AC)
出発を待つ紀州鉄道の気動車(画像:写真AC)

 2025年11月、一部メディアが紀州鉄道の廃線危機を報じた。紀州鉄道はJR紀勢線の御坊駅(ごぼう)駅と西御坊駅を結ぶ、全長2.7kmの私鉄である。営業キロ数では芝山鉄道(千葉県)に次いで短い。しかし他社と直通運転を行わない単独私鉄としては、日本最小規模の路線となる。

 報道は地元メディアでも取り上げられ、和歌山県知事や御坊市長も見解を示した。内容を整理すると、次の流れとなる。紀州鉄道を運営する東京の会社は、2021年に中国系とみられる企業の傘下に入った。

 同社はもとも不動産事業やリゾート事業を中心に展開していた。鉄道事業は不採算が続くなか、宣伝や広告の意味合いで保持していた。しかし維持が困難になったため、譲渡先企業を探している。譲渡先が見つからなければ、2026年に廃止する意向を示している。

 これに対し、和歌山県知事は鉄道の重要性を認めつつ、基本的には民間企業の問題と位置づける。一方で御坊市長は、存続に向けて国や県、紀州鉄道と協議したい意向を示している。

 紀州鉄道の公式サイト(2025年12月5日時点)には、鉄道の存廃に関する記載はない。中国系企業の傘下入りについての情報も掲載されていない。ただし、会社概要にある会長や複数のグループ企業代表者の名前には、中国系とみられる人物が含まれている。

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