国民は「JR」から鉄道を取り戻すべき? コロナ禍で浮き彫りになった国鉄民営化の功罪! 自治体「発言権強化」の必要性を考える
鉄道ダイヤ改正やサービスの変化は、コロナ禍を経て地域経済に深く関わる課題が浮き彫りになり、自治体との連携強化が求められている。民営化された鉄道事業は、利益重視から地域密着型への転換が必要で、京葉線の通勤快速廃止問題など、住民生活に対する柔軟かつ迅速な対応が重要となっている。
コロナ禍が突きつけた転換期

2020年代も折り返し地点に差し掛かっている――。
2020年代前半は、コロナウイルスの感染拡大が鉄道業界に大きな変化をもたらした。それまでダイヤ改正の度に増発やサービス向上が行われていたが、コロナ禍では減便や減車対応を余儀なくされることとなった。
最近では、私鉄を中心に元のダイヤに戻す動きが強まり、歓迎される一方で、サービス低下や実質的な値上げが影響し、JRに対する不満が高まっているのも事実だ。
コロナ禍をきっかけに、今まであまり注目されてこなかった国鉄民営化の課題が浮き彫りになった。また、整備新幹線計画も転換点を迎えており、制度設立当初には想定されていなかった問題が次々と現れている。本稿では、2020年代後半に向けて検討すべき制度や政策について考えてみたい。