「ドライブより安い!」 激安戦略で空を制した米ピープル・エクスプレス、なぜわずか「6年」で消滅したのか?
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1980年代、米国航空業界を一世風靡したピープル・エキスプレス。低価格と独自の運営手法で業界を変革したものの、過度な拡大と不適切な合併が致命的な失敗を招いた。その栄光と挫折の裏に迫る。
航空自由化が生んだ新時代

1970年代に始まった米国の航空自由化。その結果、自由に運賃を設定し、路線網を開拓できるようになった時代が到来し、多くの起業家が航空業界に参入、さまざまなエアラインが誕生し、消えていった。
格安航空会社(LCC)やマイレージなど、現在の航空業界では当たり前となっているビジネスモデルやサービスも、この時期の差別化戦略によって生まれた。米国の航空自由化を語る上で欠かせない存在が、今回取り上げるピープル・エキスプレスだ。
この会社の運航期間は1981年から1987年までのわずか6年間だったが、格安航空会社として一世を風靡し、一時は大手航空にとって脅威となるほど活躍した。その栄光と挫折の物語を、本稿で解説する。