「ドライブより安い!」 激安戦略で空を制した米ピープル・エクスプレス、なぜわずか「6年」で消滅したのか?

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1980年代、米国航空業界を一世風靡したピープル・エキスプレス。低価格と独自の運営手法で業界を変革したものの、過度な拡大と不適切な合併が致命的な失敗を招いた。その栄光と挫折の裏に迫る。

規模拡大の落とし穴、破滅への道

ボーイング747-200(画像:Tim Rees)
ボーイング747-200(画像:Tim Rees)

「ドライブより安く」という標語で人気を集めたピープル・エキスプレスが残した徹底したコスト削減と運賃の安さへのこだわりは、LCCや米国航空業界の歴史において欠かせない存在となった。

 しかし、行き詰まりを見せた後の行動は決して賞賛に値するものではなかった。特に、企業文化の異なるフロンティア航空との合併は経営を大きく狂わせ、最終的には消滅に至った。規模拡大を急ぎ、不適切な合併先を選んだミスは、後のパンアメリカン航空、日本航空、キングフィッシャー航空など、多くの航空会社の破滅を招いた。

 この失敗もまた、今日の航空会社に対する警告として重要な意味を持っている。

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