機体空中分解で102人死亡! 規制緩和が生んだ史上最悪の航空会社、インドネシア「アダム航空」をご存じか

キーワード :
,
インドネシア航空市場の急成長の裏に潜む「アダム航空」の闇。急拡大する中で安全性を軽視し、2007年の重大事故で102人の命を奪った。事故原因とその後の不正が明らかになると、業界全体に深刻な影響を与え、EUからの飛行禁止処分が下された。

規制緩和が生んだ成長と歪み

アダム・エアのボーイング737-200、標準塗装(画像:Dmitriy Pichugin)
アダム・エアのボーイング737-200、標準塗装(画像:Dmitriy Pichugin)

 インドネシアは東西に広がり、1万以上の島々からなる国だ。東南アジア最大の国で、人口は約2億7000万人以上。そんなインドネシアでの移動手段として航空機は欠かせない存在だ。

 航空市場は非常に大きく、1990年代以降の規制緩和で多くの航空会社が誕生。経済成長も追い風となり、さらなる発展が期待されていた。しかし、多くの会社が急激なビジネス拡大を目指した結果、安全性が軽視されるケースが増え、社会問題を引き起こした。

 そのなかでも特に問題視されたのが「アダム航空」だ。この航空会社が引き起こした事故や、企業体質の問題点は世界中から批判を受け、インドネシアの航空市場全体にも悪影響を及ぼす事態に発展した。

 日本のテレビ番組でも取り上げられたアダム航空の経緯を、本稿で紹介する。ただし内容はかなり厳しいものになることをご了承いただきたい。

全てのコメントを見る