クルマから街を取り戻す! 事故とは無縁で、平和な新概念「ビルアペゼ」をご存じか【連載】牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線(12)

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フランスが推進する新しいまちづくりの概念「ビルアペゼ」とは何か。まちをクルマから人に取り戻し、多様なモビリティが共存していくその取り組みに迫る。

「ビルアペゼ」という新概念

ナントの歩行者天国(画像:牧村和彦)
ナントの歩行者天国(画像:牧村和彦)

 2023年5月12日、運輸総合研究所主催のセミナー、ゆっくりを軸とした地区づくりのための交通・道路・都市のあり方を考える「人と多様なモビリティが共生する安全で心ときめくまちづくり調査」の報告会が都内で開催された。オンラインとオフライン合わせて1200名を超える申し込みとなった注目のセミナーに、筆者(牧村和彦、モビリティデザイナー)もパネリストとして参加する機会をいただいた。

 セミナーでは、まちをクルマから人に取り戻し、多様なモビリティが共存していく

「ビルアペゼ(Ville Apaisee)」

という新しいまちづくりの概念が日本で初めて紹介され、世界各地で交通政策の大転換が起きていることが報告された。本稿では、世界のトレンド「スローなまちづくり(ビルアペゼ)」をご紹介したい。

 セミナーでは、2022年9月にフランス現地調査をされた運輸総合研究所の三重野客員研究員、矢内研究員から、フランスが推進しているビルアペゼについて紹介された。筆者も現地調査に同行する機会をいただいた。

 フランス各地で起きている新しいまちづくりの概念がものすごいスピードで広がっていることを目の当たりにし、

「移動とは何か」
「移動と幸福の価値とは何か」

を改めて再認識する貴重な機会だった。

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