北陸新幹線「敦賀延伸1年半」――赤字70億円予測を覆したハピラインの奇跡! 課題残るも開業効果はいまだ継続
北陸新幹線が敦賀まで延伸してから1年半。福井県を訪れる観光客数は高水準を維持している。並行する在来線「ハピラインふくい」も赤字を大幅に縮小し、健闘している。
芦原温泉駅周辺も週末ににぎわい

北陸新幹線が福井県敦賀市まで延伸して1年半になるが、福井県を訪れる観光客は高い水準のまま。並行在来線のハピラインふくいも赤字を大幅に縮減する健闘を見せている。
車体に描かれたピンクと緑の帯が目を引くハピラインふくいの列車が、芦原温泉駅(福井県あわら市)に滑り込む。9月下旬の平日昼過ぎ、ガラガラの車内を予想していたが、意外と混んでいる。
幼児を連れた主婦や買い物帰りの高齢者に交じって大きなキャリーケースを引く日本人観光客もいた。この人は川崎市から来た公務員の男性(56歳)。石川県金沢市で宿泊し、ハピラインふくいで途中下車しながら、趣味の写真撮影をしているという。福井県は今回が初訪問。「この時期なら人出が少ないと思ったが、どこも人が多い」と目を丸くする。あわら市観光振興課は
「関東からの観光客で駅周辺のにぎわいが増えた」
と話す。市内には関西の奥座敷と呼ばれる芦原温泉がある。芦原温泉駅前で客待ちするタクシー乗務員は「関東から新幹線で来た人がよく利用してくれる」と喜んでいた。