三角表示板はもう古い? 高速道路の死亡リスクを激減させる「紫色LED停止表示灯」をご存じか

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高速道路での緊急停止は、停車車両への衝突事故が2024年だけで10人の死亡者を出す危険行為だ。軽量LEDの紫色停止表示灯は、最大800m先から認知可能で心理的負担を減らし、安全行動を支援する新たな必須装備となっている。

高速緊急停止の危険性

三角表示板(画像:写真AC)
三角表示板(画像:写真AC)

 高速道路での緊急停止は、後続車との追突など重大事故を引き起こす危険性が極めて高い。高速走行中は車間距離が短く、ブレーキ反応にも限界があるため、停車直後の衝突リスクは瞬時に発生する。

 実際、停車車両への衝突事故は少なくない。NEXCO中日本の「2024年事故形態別交通死亡事故件数」によると、停車車両との事故は9件で10人が死亡。対人事故は5件で5人の死亡者が出ている。同社が管理する高速道路での2024年の交通死亡事故は31件、死亡者は32人であった。停車車両への事故だけで約半数を占める計算になる。これは、緊急停止がいかに日常的な走行でも潜在的なリスクであるかを示している。

 こうした重大事故を防ぐため、設置が義務付けられているのが「停止表示器材(停止表示板)」だ。後続車に停車の危険を知らせることで、事故軽減を目的としている。表示を怠れば「故障車両表示義務違反」となり、反則金は普通車・二輪車6000円、大型車7000円、小型特殊5000円、違反点数は1点が科せられる。

 しかし停止表示器材は車両への搭載義務がなく、発炎筒のように標準装備ではない。そのため高速道路を走行する際は自前で用意する必要がある。従来は三角表示板が主流だったが、近年は紫色に光るライトが登場した。このライトも「停止表示器材」として認められ、高速道路での緊急停止時に「停止表示灯」として活用できる。

 高速道路での緊急停止は、単なる違反やマナーの問題ではなく、瞬時の判断が生死を分ける事象である。運転者自身の注意だけでなく、適切な表示器材の活用が事故リスク低減のカギとなる。

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