東南アジア最強のLCC「エアアジア」、なぜ日本で二度敗れたのか? そしてなお日本市場を狙う野望とは
東南アジア最強のLCC、エアアジアは日本市場で二度の撤退を経験した。しかし親会社キャピタルAは400機以上の発注で拡大を再開。羽田・成田・関空など8空港で日本路線を強化し、インバウンドや北米直行便を狙う戦略が進む。
台湾・香港路線拡大
経営の混乱やコロナ禍もあり、エアアジア・ジャパンは二度消滅した。しかし日本国内の子会社が失敗しても、エアアジア本体は日本市場を諦めていない。
親会社であるキャピタルAは2023年に黒字を回復し、400機以上の航空機を発注して再び拡大路線に乗り出している。その拡大にはインバウンド需要が高い日本路線も含まれている。
日本には、マレーシア・タイ・フィリピンなどグループ各社の拠点だけでなく、以遠権を活用して台湾や香港からの路線も展開している。日本発の台湾・香港路線は、東南アジアから両地域への小型機路線を延長する形で運行されており、単なる航続距離ではなく、日本~台湾、日本~香港の旺盛な需要に応えた運用である。
日本側の就航空港は羽田、成田、関空、中部、仙台、新千歳、福岡、那覇の八空港に及ぶ。また、エアアジアは日本を経由してロサンゼルスやサンフランシスコなど北米西海岸への路線も長期計画しており、実現すればZIPAIRなどの競合にとって強力なライバルとなる。
二度の失敗にもかかわらず日本市場を諦めないエアアジアは、東南アジアから日本全域をほぼカバーできるエアバスA321XLRも導入している。今後、日本路線はさらに増えることが想定され、注目を集める航空会社である。