国内初「フルフラット座席」――高知発「フラットン」は夜行バスを変えるのか? 12月運行開始、収益性・安全性の壁とは

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高知駅前観光は国内初のフルフラットシート夜行バス「フラットン」を本格運行する。高知~東京間24席で片道1万4000円、SNS評価も高く、快適性・収益性・安全性の両立と知財活用による全国・海外展開の可能性が注目される。

夜行バスの新時代到来

「フラットン」のイメージ(画像:高知駅前観光)
「フラットン」のイメージ(画像:高知駅前観光)

 2025年12月6日、高知県高知市で路線バス事業、観光バス事業、ハイヤー事業を行う高知駅前観光は国内初のフルフラットシート「ソメイユプロフォン」を搭載した夜行高速バス「フラットン」の本格運行を開始する。ソメイユプロフォンはフランス語で「熟睡」を意味し、快適な移動環境を提供することを目指す。

 同社は2025年3月から8月にかけ、高知~東京間でモニター運行を実施した。利用者の意見を反映し、改良型ユニットを順次導入する予定である。今後は従来型4列シートの「スマイルライナー」と並行運行し、利用者のニーズに応じた選択肢を広げる方針だ。本稿では、

・経済的な持続性
・運行効率
・安全性
・全国展開の可能性
・知的財産の活用

などの観点から、フラットンの事業可能性を検証する。新たな座席形式と運行モデルが、夜行バス市場にどのような影響を与えるかに注目する必要がある。

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