5.2兆円vs1.7兆円!北陸新幹線「米原ルート」で浮上する“第3の選択肢”はなぜ「新幹線より賢い」のか?

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北陸新幹線の米原ルート採用で注目される小浜市の扱いに異議が唱えられている。かつて期待された「琵琶湖若狭湾快速鉄道」の中速鉄道化は、約20kmの新線整備で大阪~小浜間を最速1時間11分に短縮。乗り換え不要で新幹線案とほぼ同等の利便性を実現し、地域振興に現実的な代替策として再評価が必要だ。

北陸新幹線ルートに残る選択肢

北陸新幹線(画像:写真AC)
北陸新幹線(画像:写真AC)

 北陸新幹線ルートを巡る議論では、石川県を中心に「プランB」とされる米原ルート案が注目されている。だが、もしこのルートを採用するなら、経由地から外れる小浜市に対して何の補償もないままでいいのだろうか。

 筆者(北村幸太郎、鉄道ジャーナリスト)はかつて、小浜ルートに大きな期待を寄せていた。

・若狭地域の大幅な時間短縮
・関西圏への通勤圏化による地域の発展

が見込めたからだ。そのため、代替策なしに米原ルートだけを進めるのは筋が通らないと考えている。

 そこで改めて考えたいのが、小浜市を中心に誘致運動が行われていた「琵琶湖若狭湾快速鉄道」構想だ。これは北陸新幹線の小浜ルートが決定する以前に検討されていた、湖西線と小浜線を短絡する新線案である。

 単に新線を敷くのではなく、中速鉄道方式を導入すべきだろう。これは在来線と新幹線の中間の速度域で運行する仕組みで、国会でも取り上げられている。あわせて湖西線側の中速鉄道化も進めれば、新幹線に匹敵する時間短縮効果が得られる可能性は高い。

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