極東の日本が「ロケット発射」に適している理由 54兆円市場を後押し

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日本は極東に位置し、東と南に広がる海に面した地理的優位を持つ。港湾・道路・鉄道・航空のインフラと製造業基盤を生かし、JAXAの種子島宇宙センターや民間宇宙港から安全にロケット発射が可能だ。世界の宇宙産業は54兆円規模で、2040年には140兆円に拡大すると予測され、日本市場も2030年代に倍増を目指す。地理、技術、制度の総合力で日本はアジア太平洋の宇宙拠点として存在感を増す。

宇宙港立地を支える地理条件

組み立て棟から発射地点へと移動し、打ち上げを待つ新型ロケット「H3」試験機1号機=2月16日午後、鹿児島県・種子島宇宙センター(画像:時事)
組み立て棟から発射地点へと移動し、打ち上げを待つ新型ロケット「H3」試験機1号機=2月16日午後、鹿児島県・種子島宇宙センター(画像:時事)

 地球は東向きに自転しているため、ロケットを東向きに発射すれば自転の力を利用でき、燃料を節約できる。赤道は自転速度が最も速く、赤道に近いほどその恩恵は大きい。

 JAXAの種子島宇宙センターは赤道に近いとはいえないが、日本国内では南に位置しており、宇宙関連の技術やインフラ、制度といった強みで立地の不利を補える。

 和歌山県串本町の民間宇宙港「スペースポート紀伊」や、北海道大樹町で計画が進む「北海道スペースポート」も同様に、東と南が海に面している。

 ロケット発射では落下物のリスクが避けられないが、海上であれば人口密集地への直撃の可能性は大幅に下がる。さらに、発射経路を他国領空から遠ざけられるため、国際的な摩擦やリスクを軽減できる。

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