5.2兆円vs1.7兆円!北陸新幹線「米原ルート」で浮上する“第3の選択肢”はなぜ「新幹線より賢い」のか?
北陸新幹線の米原ルート採用で注目される小浜市の扱いに異議が唱えられている。かつて期待された「琵琶湖若狭湾快速鉄道」の中速鉄道化は、約20kmの新線整備で大阪~小浜間を最速1時間11分に短縮。乗り換え不要で新幹線案とほぼ同等の利便性を実現し、地域振興に現実的な代替策として再評価が必要だ。
湖西線特急維持への布石

特急スーパーはるかを使えば、関西空港へも1本で行ける。建設中のなにわ筋線を経由することを前提に試算したところ、小浜~関空間は最速2時間2分。途中のJR難波へは1時間23分、天王寺へは1時間28分で到達できる。この所要時間も、中速鉄道だからこそ実現できる利点である。
さらに、こうした列車があれば、北陸新幹線の延伸で特急サンダーバードが廃止されても、湖西線の特急を維持できる可能性がある。堅田や近江今津への通勤特急として機能すれば、滋賀県にとっても利点は大きい。
JRにとっても、特急が存続すれば料金収入を確保できる。小浜ルートでも米原ルートでも懸念されている湖西線の経営分離についても、動機が弱まるかもしれない。
もっとも、小浜ルートが完成すれば、特急存続の道は断たれる可能性が高い。