5.2兆円vs1.7兆円!北陸新幹線「米原ルート」で浮上する“第3の選択肢”はなぜ「新幹線より賢い」のか?
北陸新幹線の米原ルート採用で注目される小浜市の扱いに異議が唱えられている。かつて期待された「琵琶湖若狭湾快速鉄道」の中速鉄道化は、約20kmの新線整備で大阪~小浜間を最速1時間11分に短縮。乗り換え不要で新幹線案とほぼ同等の利便性を実現し、地域振興に現実的な代替策として再評価が必要だ。
時短効果と費用の経済的均衡

これだけの時間短縮効果が見込めることは明らかになった。
しかし、気になるのは建設費だ。琵琶湖若狭湾快速鉄道建設促進期成同盟会のウェブサイトには、424億円との試算が記されている。これに、
・昨今の物価高
・新線区間の複線化
・小浜線内の10.7km複線化
・湖西線の中速鉄道化改良(レール・架線強化やホームドア設置)
などを考慮しても、1000億円に収まるのではないか。これは小浜ルート建設費の約50分の1にあたる。
本線の建設費は国が小浜ルート断念の代替補償として拠出し、途中駅の建設費だけは代替補償の趣旨とは別で地元負担とするなら、納得感の高い負担になるだろう。
少なくとも福井県や小浜市にとっては、小浜ルートの5.2兆円の一部、少なくとも1000億円程度を負担するよりは、新幹線より9分遅くなるだけの条件を受け入れたほうが、ほとんど負担が発生しない。それならば検討しない理由はないだろう。