「乗らないなら廃止」赤字ローカル線問題、「正論」だけで解決するなら誰も苦労しない! 地方消滅を防ぐ現実的解決策とは
地方鉄道の存廃問題が深刻化する中、「赤字路線は廃止すべき」という単純な議論では解決できない現実が浮き彫りに。高齢化社会の影響や地域経済への打撃を考慮した、持続可能な鉄道活用策を求める議論が急務だ。
「正論」を語る人たちの視野の狭さ

「赤字だから廃止」と主張する人の多くは、その言葉がもたらす影響を深く考えていない。
例えば、ある地域で鉄道路線が廃止されたとしよう。その影響は、単に鉄道がなくなることにとどまらない。公共交通がなくなれば、住民は車に頼らざるを得なくなる。しかし、高齢化が進む地域では、すべての人が車を運転できるわけではない。移動手段が限られることで、買い物や通院が困難になり、生活の質が低下する。
鉄道がなくなれば、通学や通勤の利便性が損なわれる。結果として、若者は交通の便が良い都市部へ移住し、地域の人口減少がさらに加速する。
鉄道は単なる交通手段ではなく、地域経済の基盤でもある。物流や観光、地域企業の人材確保など、さまざまな分野に影響を及ぼす。鉄道がなくなれば、地域の衰退はさらに進む可能性が高い。
こうした事実を理解した上で「それでも赤字だから廃止すべき」と主張するなら、ひとつの立場として尊重できる。しかし、ただ「正論」を唱えるだけで議論を終わらせるのは、あまりにも思考が浅い。