「生活路線」が生む、深い旅の感動【リレー連載】現代人にとって旅情とはなにか(2)
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路線バスは、都市や地域の実情を知るための貴重な情報源であり、地域住民や運転士との自然な交流が旅情を生み出す。だが、モータリゼーションの進展や路線バスの廃止が進む中で、こうした機会は減少している。この記事では、筆者が経験した独自のバス旅と観光列車との違いを通じて、自然な交流の重要性を探る。
地域交通が映す現地の実情

「情報」という言葉は、そもそも日本で造られた漢語だ。1876(明治9)年に酒井忠恕(ただひろ)が訳した『仏国歩兵陣中要務実地演習軌典』で初めて使われ、原語はフランス語の
「renseignement」
に由来する。もともとは軍事的な意味合いが強く、「(敵の)情状の報知」という意味を持つ言葉だった。情報とは、実際の事情や実情を知らせるものだ。
路線バスの旅は、自分にとってその土地と生活の事情を知るための貴重な情報を得る手段だった。特に路線バスを通じた自然な会話やコミュニケーションから生まれるものが多かった。しかし近年では、
・2024年問題
・モータリゼーションの進展
・新型コロナ禍
などの影響で路線バスの廃止が進み、旅自体が難しくなっている。その結果、地域住民や運転士との自然なコミュニケーションも取りにくくなっているのは、本当に残念だ。